電極に焼結金属フィルターを使用した電気分解試験

焼結金属フィルターで製作した電極は素材同士が結合し表面積を増大できる

電極とは、真空あるいは誘電体中、あるいは電解質溶液や融解塩のようなイオン伝導体、半導体などのなかに電流を通すために配置された導体(電子伝導体)、少なくとも電気が出ていく電極と入ってくる電極の2個あるのが普通である。電極の形状、大きさなどは目的に応じていろいろのものがあり、その材料としても金属、合金、グラファイト、半導体、金属酸化物など種々の導体が用いられる。また、真空管、放電管などで電流を流したり電子流を制御したりする種々の形をした導体も電極とよばれる。電気化学においてはM. Faraday(ファラデー)の命名により、電極反応の進行とともに,溶液側から電極に向かって電子が流れ込む電極をアノード、逆に電極から溶液側へ電子の出ていく電極をカソードという。電池においては、外部回路を通じて正の電気が向かっていく電極を負極、その反対の電極を正極ともよぶが、この場合には正極がカソード、負極がアノードとなる。

SUS焼結体の複雑形状4種を持つ多孔質金属
SUS316L粉末を使用した多孔質金属で一つの個体内でフラット、溝形状、山形状、凸形状の複雑形状を凝縮
ニッケル製多孔質焼結金属体
ニッケル粉末を使用した多孔質焼結金属体。ノーバインダー仕様で製作可能。□20×20×t10の製作例。電気分解用途での電極など

電極に使用される主な焼結金属

ファイバー焼結

ファイバー(金属繊維)を焼結した多孔質金属
ファイバー(金属繊維)を焼結処理により一体化した焼結体。高性能で薄い焼結体が製作可能です

粉末焼結

ニッケル粉末製の極薄0.2mm(200μm)焼結金属・多孔質金属
材質にニッケル粉末を使用した極薄0.2mm(200μm)の焼結金属・多孔質金属。気孔構造は複雑構造で気孔が連結した連通気孔なので毛細管現象の機能も期待できる

電気分解試験

水道水での電気分解の様子。電極は焼結金属フィルターを使用し、材質は負極にニッケル・正極に銅。電圧は角型電池(9V)を使用しました。焼結金属の特性である内部の空孔、当社の特長でもある連通孔により電極内部でも電気分解が起こっていると考えます。

公称濾過精度1μmのSUS製多孔質焼結金属フィルター
異形粉(イレギュラー粉)を使用した多孔質金属のSEM(走査型電子顕微鏡)画像
焼結金属フィルターを電極に使用した電気分解試験