ホウ化ジルコニウム/ZrB2
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ZrB2(ホウ化ジルコニウム)とは
金属ホウ化物は金属とホウ素の金属間化合物であり、一般的に金属的な光沢をもち、高い融点、金属と同様な電気電導性があるなどの金属的な性質と、高硬度で展性、延性がなく、脆いなどのセラミックスの性質をもつなど、金属とセラミックスの両方の性質を合わせもっているユニークな材料である。金属ホウ化物の一つであるZrB2(ホウ化ジルコニウム)は銀白色の金属光沢の外観を示し、3060℃ という非常に高い融点をもち、溶融温度まで相転移がなく、高温で蒸気圧も低い。また溶融金属、スラグに対して、高い耐食性を示す。欠点としては、非酸化物のため、高温で徐々に酸化する、またセラミックス特有の脆い性質もある。また、ZrB2(ホウ化ジルコニウム)は3000℃ を超える融点をもつことから、超耐火物として分類されており、アメリカではロケットエンジンの噴射口、ミサイルの翼などの極限材料としての研究が進められてきた。またロシアでもその特性がさかんに研究されてきた。
ZrB2(ホウ化ジルコニウム)の特性値
ZrB2(ホウ化ジルコニウム)の特性値は分子量(112.8)、結晶系(六方晶系)融点(3060℃)、密度(6.10g/cm3)、電気伝導性(97μΩ・m)、熱膨張率(5.90×10-6/℃)、熱伝導性(58.2/W・m-1・K-1)、ビッカース硬度(2250/Kg・m-2)である。
ZrB2(ホウ化ジルコニウム)の溶融金属、スラグに対する耐食性
ZrB2(ホウ化ジルコニウム)はホウ化物のなかでも各種溶融金属、スラグに対する耐食性が大きい材料として知られている。これはZrB2(ホウ化ジルコニウム)自体の融点と耐食性が高いことと、ZrB2(ホウ化ジルコニウム)が酸化したときに生成するZrB2(ホウ化ジルコニウム)も各種、溶融金属、スラグに対して耐食性が高いことなどによると考えられる。 鉄、アルミニウム、スズなどにはほとんど反応しないが、チタン、ニッケルなどとは高温で反応する。各種製鋼用スラグに対する耐食性が優れているほか、都市ごみスラグに対する耐食性も優れており、高耐食材料として知られているAl203- Cr203系不定型耐火物の数倍の耐食性を示す。
ZrB2(ホウ化ジルコニウム)の耐酸化性
ZrB2(ホウ化ジルコニウム)は非酸化物であり、基本的には(ZrB2+5/2O2→ZrO2+B2O3)の式で示すとおり、高温で酸化してZrO2とB203になる。
ZrB2(ホウ化ジルコニウム)の電気伝導性
純鉄なみの電気伝導性をもち、金属と同様に温度と共に、電気抵抗値は増加する。金属と同程度の低い電気抵抗をもつため、放電加工が可能であり、複雑な形状の加工が容易に行える。また金属と同様に誘導加熱もでき、不活性ガスまたは、真空中雰囲気下では2000℃ 以上まで昇温しても変化はないが、大気中では1300℃ 以上で酸化が徐々に進行する。
製作実例
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