ファイバー(金属繊維)を焼結した多孔質金属

ファイバー焼結は薄く、高性能なフィルター

ファイバー(金属繊維)焼結とは

ファイバー焼結とは、ファイバー(金属繊維)を圧縮成形し焼結処理を施した製品で、密度をコントロールすることにより強度・圧力損失のバランスを選択できる。厚みは0.3~1.0tと非常に薄く、密度は低い。濾過精度は標準的なモノで3~75μ。特殊仕様で0.5μまで対応可能である。

また、補強の為に片面or両面に織金網同時焼結し、ある程度強度を確保することもできる。厚みは焼結金属フィルターの部類では最薄と言えるだろう。

『薄い』だけが特徴ではなくこの薄さで複雑な流路を形成しているので異物捕集量がかなり高い。

異物捕集量だけで比較するのであれば粉末焼結・積層焼結金網では到底敵わないので焼結金網からの切替であれば同等品を選定された場合、取れすぎる可能性も視野に入れてご検討ください。

短所は、薄いからこそ弱いという欠点に繋がり、粘りがなくすぐに破断してしまい、二次加工性が乏しい

ファイバー(金属繊維)焼結の材質

チタンファイバー(金属繊維)焼結金属にプラチナメッキ
チタン製の金属繊維を焼結処理した焼結金属体。複雑な気孔孔構造なのでフィルターとして高性能であり、非常に薄い焼結体が製作可能。

ステンレス/SUS316L(通常品)

SUSファイバー(金属繊維)焼結金属
SUS製の金属繊維を焼結処理した焼結金属体。フィルターとして高性能であり、非常に薄い焼結体が製作可能

チタン(特殊仕様)・・・お問い合わせください。

銅ファイバー(金属繊維)の焼結金属
銅ファイバー(金属繊維)の焼結金属

銅(特殊仕様)お問い合わせください。

ファイバー(金属繊維)焼結と焼結金属フィルターの同時焼結による接合

粉末を用いた焼結金属フィルターエレメントは濾過精度は信頼性が高いモノではないが、全気孔が開気孔(オープンポーラス)であり、ファイバー焼結に比べ厚みを出しやすい。一方、ファイバー焼結は濾過精度は高いが厚みを出しにくい。そこで、互いの欠点を補い合うことができれば『オンリーワン』の製品になるのではないだろうか?組み合わせ方は自由に設定でき、ファイバー焼結を細かく設定し、焼結金属フィルターエレメントを粗く設定すればファイバー焼結の性能を邪魔することはなくなり、また段階的に濾過粒度を細かくしていくことも可能だろう。まさに用途は無限大である。
例えば吸着においても性能を発揮してくれるのはないだろうか?
焼結金属フィルターエレメントを用いての吸着プレートは表面を加工できない・加工しにくい・目詰まりを起こすなどの問題があり、あまり推奨できなかったがこの問題をクリアできるのではないだろうか?
ファイバー焼結を細かく設定し、焼結金属フィルターエレメントを粗く厚く設定しておけば表面粗度は『ツルツル』した仕上りになりつつ、強度も確保できる。

SUSファイバー(金属繊維)焼結金属とSUS粉末焼結金属を同時焼結
SUS製のファイバー(金属繊維)を焼結処理した焼結金属体とSUS製の金属粉末を焼結処理した焼結金属体を同時焼結で接合。ファイバー焼結の支持体として粉末焼結を採用した一例。ファイバー焼結は複雑な気孔孔構造なのでフィルターとして高性能であり、非常に薄い焼結体が製作可能。

粉末焼結金属による電気分解実験

水道水での電気分解の様子。電極は焼結金属フィルターを使用し、材質は負極にニッケル・正極に銅。電圧は角型電池(9V)を使用しました。焼結金属の特性である内部の空孔、当社の特長でもある連通孔により電極内部でも電気分解が起こっていると考えます。

公称濾過精度1μmのSUS製多孔質焼結金属フィルター
異形粉(イレギュラー粉)を使用した多孔質金属のSEM(走査型電子顕微鏡)画像

ファイバー(金属繊維)焼結金属の製作実例

サンプルについて

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